電書10*bnkr『bnkr vol.01』『bnkr vol.02』

 電子書籍部の部長は、ゲームデザイナーでもある米光一成だけど、その米光一成が池袋西武のコミュニティカレッジで持っていた講座に、そのへんのボンクラどもが集まってきたと思いねえ。
 ボンクラたちは思った。「文学フリマになんか出さねえ?」。それで右も左も分からない中、ボンクラたちは書いた。テキストがまた(いろんな意味で)すごかった。微笑み返しなJPOP小説。ゾンビ愛(だけの)小説。童貞バトルロイヤル。文学かぶれのカフェ。絵に描いたようなボンクラだ。それだけじゃないぞ。大塚英志の『ストーリーメーカー』を使ってプロットを作っている。プロレスで言うアングルだ。電子書籍派漫画家として名の轟くうめさんがいたのをいいことに、かっこいい表紙を描いてもらった。


 
 中身は分からなくてもインパクトは抜群。二百部印刷して八十部売れた。後で聞いたら、これは文学フリマでは悪くない売り上げなのだそうだ。いや、打ち上げのビールがうまかったこと。
 半年後。また作った。スティーブ・ジョブズが密室殺人事件に遭遇する話(絶対日本初だと思う)。日本の山村でゾンビ。飛び下り小説。座敷わらし。特撮。童貞(またかよ!)が悶絶する話。今度のアングルは『ストーリーメーカー』。百個のプロットをフリーで載せた。またうめさんに表紙を描いてもらって、今度は百六十部売れた。併売した第一号も完売してしまった。

 こうして無事に入手困難になった一号と二号を電子書籍として蘇らせることになった。
ボンクラ的に言えば、仮面ライダー的な何か、ゾンビ的な何か、人体練成的な何かとなって帰ってきたのだ。電子書籍部(l-18)の隣のl-19でvol.03も売ります。そっちは生なんで、早めに食べてね。

以上、担当滝でしたが、bnkrメンバーまつながさんに代筆お願いしました。

電子書籍部入門